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釈阿理のひとり言

松迎えと年神様

2021年12月12日

慌ただしい日々の中、ふと気がつけば師走も10日。あと三週間もすればお正月ですね。
11月後半辺りから急に時の流れがスピードアップする様に感じるのは私だけでしょうか。

『松迎え』という言葉をご存知ですか?
『松迎え』は例年12月13日。門松や松飾りに使用する松の木を、山へ伐りに行く事を言います。昔は大晦日の三週間も前からお正月の準備が始まっていたのですね。そして迎えてきた松は、家の近くの清浄な場所に御神酒などをお供えして暫く安置しておいたのだそうです。現代では『松迎え』の風習もあまり行われなくなっているようです。

 
松を迎えてすす払い(大掃除)を行って家を清浄な状態にし、門松や鏡餅を飾って準備完了!お正月を迎えます。『きれいに調えた家で新しい歳のスタートを切りたい』と言う単純な動機はもとより、昔の人は元旦になると『歳神様』という神様が各家に来てくださると考えていました。お正月を迎える準備は神様をお迎えする準備だったのですね。

門松は神様への『Welcom』の目印、そして注連飾りは神社などにもある注連縄と同じ結界の意味。さて、それでは家の中にお入り頂いた神様は何処に落ち着かれるのでしょうか?

一説には鏡餅が歳神様の依り代であると言われます。
神社など神様をお祀りしている所では、中央に丸い鏡が安置されているのをよく見かけますね。これは鏡を神様の依り代としている形です。
その『』を模した『』=五穀豊穣の印をご用意して、神様の依り代とすると言うわけです。
昭和の頃は床の間には大きな鏡餅を飾り、台所や居間など他の部屋にも小さな鏡餅を飾ったものです。きっとそれぞれの場所に神様に来て頂く事を期待していたのでしょうね。

そして年が明けると子供達が期待している『お年玉』。これはそもそも歳神様の御霊が宿った鏡餅を、家の主人が家族に分け与えて一年の無病息災を願うところから来ていると言われます。『御歳の御霊→ おとしたま → お年玉 と変化したようです。一つ一つの風習は、それぞ意味あってのことなのですね。

もちろん地方によって異なる風習や由来など諸説あることでしょう。でもこんなストーリーに接すると『今年はパックの鏡餅は止めて生の鏡餅を予約しておこうかしら・・・』なんて思ってしまいます(笑)。
お正月だからこそ、時間がゆっくり流れていた頃の穏やかな暮らし、幸せを祈る人々の心に思いを馳せてみるのも良いですね。

あ~ぁ、その前に年内の仕事を片付けて、年賀状を書いて、大掃除に買い出しにetc.
2021年のラストスパート頑張らなくちゃ!ですね。

釈阿理 合掌

 

 


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